賃貸借契約の解除と転借人
賃借人の債務不履行で賃貸借が解除されたら、転貸借は賃貸人が返還請求した時点で終了する
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事案の概要
争点
判旨
判決
関連法令の解説
「賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う」と定めています。賃貸人の承諾がある転貸では、転借人は賃貸人に対して直接、賃料支払義務や目的物返還義務を負います。本判例ではこの関係を前提に転貸借の終了時期が議論されました。
民法613条3項(令和2年改正で新設)
「賃借人が適法に賃借物を転貸した場合には、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない」と定めています。従来の判例法理(合意解除の場合は転借人に対抗できない)を明文化したもので、ただし書として「債務不履行による解除権を有していたとき」は例外として対抗可能と規定されています。
民法541条
「相当の期間を定めてその履行を催告し、その期間内に履行がないときは、契約の解除ができる」と定める債務不履行による解除の原則規定です。本判例では賃借人の債務不履行(賃料不払い等)を理由とする解除であり、催告は転借人ではなく賃借人に対してのみ行えば足りると解されています。
身近な例え
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
注意:賃貸借が合意解除された場合は、賃貸人は原則として転借人に終了を対抗できない(民法613条3項)
賃貸人は、債務不履行を理由に解除する際、転借人に催告する必要はなく、賃借人への催告だけで足りる
借地借家法34条(建物転貸借の終了の通知)は期間満了・解約申入れの場合に適用され、債務不履行解除には適用されない
転貸借終了の時期のポイント:返還請求時=転貸借終了時という構造を押さえる
関連法令
関連判例
債権者の弁済を受領しない意思が明確に認められる場合
弁済の提供には3段階の構造がある。原則=現実の提供、例外①=口頭の提供(受領拒絶があらかじめ明らかな場合)、例外②=提供不要(受領拒否の意思が明確な場合)。この3段階をセットで整理すること。 「受領しない意思が明確」の典型例は「契約の存在自体の否定」。単なる受領拒絶とは異なり、そもそも債権債務関係を認めない態度が必要とされる点を押さえる。 「全く無意義であって法はかかる無意義を要求しない」という論理構造を理解する。形式的な行為に意味がない場合はその行為を省略できるという考え方は他の論点にも応用できる。 注意:受領拒絶があれば常に提供不要というわけではない。単に受領を拒絶した場合は口頭の提供が必要であり、提供不要となるのは受領拒否の意思が「明確」な場合に限られる。 債権者遅滞(受領遅滞)との関係も整理しておく。弁済の提供があると債権者が受領遅滞に陥り、以後の履行不能等のリスクが債権者に転嫁されるという効果とあわせて理解すること。
特別の事情によって生じた損害
原則:損害賠償額の算定基準は履行不能時の価格 例外:①価格が騰貴し続けるという特別の事情があり、②売主が履行不能時にその事情を知っていたか知ることができた場合、現時点の騰貴価格を基準にできる 自己使用目的であっても騰貴価格による賠償が認められる点が本判決の核心 予見の主体は債務者(売主)、予見の時期は履行不能時 価格がいったん騰貴した後に下落した場合(中間最高価格):転売等で騰貴利益を確実に取得できたことの予見可能性も追加で必要(より厳しい要件) 価格が現在も騰貴し続けている場合(本判決):転売の予見可能性の立証は不要
保証人の原状回復義務
特定物売買の売主保証人は、特に反対の意思表示がない限り、解除後の**原状回復義務(代金返還義務)**についても保証責任を負う 保証の趣旨は「引渡債務そのものの履行」ではなく、「債務不履行から生じる売主の債務」への保証と解釈される 注意:「反対の意思表示」がある場合は原状回復義務を保証の範囲から除外できるため、保証契約の文言・趣旨が重要になる 民法545条1項の原状回復義務は、解除によって新たに発生する独立した義務だが、保証の趣旨解釈によってその範囲に取り込まれる 本判決は大法廷判決であり、保証の範囲の解釈に関するリーディングケースとして位置づけられる
自衛隊内での事故と安全配慮義務
安全配慮義務は、特別な社会的接触関係にある当事者間で信義則上当然に発生する付随義務である 国と公務員の間でも安全配慮義務が認められ、その違反は債務不履行として扱われる 消滅時効は会計法30条の5年ではなく、民法167条の10年が適用される 注意:2020年の民法改正後は「知った時から5年・権利行使できる時から10年」に変更されているため、改正前後を区別して整理すること 安全配慮義務はその後の判例・労働契約法5条にも引き継がれ、民間企業と労働者の間でも認められている(川義事件 最判昭59.4.10 参照)
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