有責配偶者からの離婚請求
自分で破綻させておいて離婚は原則NG!でも3要件を満たせば例外的にOK
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事案の概要
争点
判旨
【原文】
一 有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦がその年齢及び同居期間と対比して相当の長期間別居し、その間に未成熟子がいない場合には、相手方配偶者が離婚によつて精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできない。
判決
関連法令の解説
この条文は裁判上の離婚が認められる原因を定めており、1項5号に「婚姻を継続し難い重大な事由」があることが含まれます。本判例では、長期別居により婚姻が破綻している場合に同号の離婚事由が認められる余地があるものの、有責配偶者からの請求である場合の取扱いについて、3要件を満たす場合に限り例外的に認容できると判示されました。
身近な例え
ざっくりまとめ
でも長期別居が続いている場合に、「婚姻関係を維持せよ」と強制することも別の意味で不合理になってくるんだ。
そこでこの判例では、3要件をすべて満たす場合に限って有責配偶者からの離婚請求を例外的に認めるという枠組みを示したんだよ。
①相当長期間の別居、②未成熟の子がいない、③著しく社会正義に反する特段の事情がない、この3つが揃えば認められるんだ。
試験対策ポイント
注意:3要件はすべて満たす必要があり、一つでも欠けると原則に戻り認められない
未成熟の子とは経済的に独立していない子であり、成人した子は含まれない
相手方の経済的不利益は財産分与・慰謝料で解決すべきものとされ、離婚否定の根拠にならない
本判決は従来の判例を変更した大法廷判決であり、判例変更として位置づけられている
関連法令
出題年度
関連判例
第三者に交付された貸付金の返還
借主の指示で貸主が第三者に直接給付した場合、原則として借主は給付額相当の利益を受けたとみなされる(民法703条) ただし、借主と第三者の間に何の関係もなく、強迫など特段の事情がある場合は例外として借主の利得が否定される 注意:「自分が直接受け取っていない」という事実だけでは利得の否定理由にならないのが原則であることを押さえること 民法703条の不当利得の返還範囲は**「現に利益を受けている限度」**であり、善意の受益者は利益が消滅していれば返還義務を免れる(民法703条)点も整理しておくこと 消費貸借契約の取消し(錯誤・詐欺・強迫など)により法律上の原因が遡及的に消滅し、不当利得返還請求が発生するという流れを理解すること
錯誤による和解契約
合意解除と転得者の関係は対抗関係として処理され、転得者が保護されるには登記が必要(善意であっても不可) 債権者代位による登記請求も、代位する丙自身が登記を備えていなければ認められない 注意:合意解除前の第三者保護は民法545条1項ただし書が根拠だが、保護のためには対抗要件(登記)の具備が必要 信義則に反する特段の事情がある場合は例外的に登記なしでも保護される余地がある(最判昭45.3.26と対比して押さえること) 解除前の第三者は登記が必要、解除後の第三者も登記で対抗関係を処理する点をセットで整理すること
共同抵当建物の再築
土地のみに抵当権が設定された場合→建物が再築されても法定地上権が成立する可能性あり(大判昭10.8.10)。共同抵当の場合→原則として法定地上権は成立しない、という対比を押さえること 例外として法定地上権が成立する**「特段の事情」は「①新建物の所有者と土地所有者が同一、かつ②再築時点の土地抵当権者が新建物に同順位の共同抵当権の設定を受けた」場合であり、この2要件の同時充足**が必要 判断の核心は**「抵当権設定当事者の合理的意思」**の保護であり、「建物を守る(法定地上権)」より「抵当権者を守る(担保価値の保全)」が優先される 注意:新建物に抵当権が設定されていても、土地の抵当権と同順位でなければ特段の事情にあたらず、法定地上権は成立しない 出題実績:平成23年度問題30選択肢4で「特段の事由のない限り再築建物に法定地上権は成立しない」として正答となっている頻出論点
離婚に伴う財産分与の詐害行為該当性
債務超過という一事だけでは詐害行為にならない。特段の事情(不相当に過大 かつ 財産分与に仮託した財産処分)が必要 詐害行為として取り消せるのは不相当に過大な部分に限られ、財産分与全体が取り消されるわけではない 注意:相続放棄は身分行為として詐害行為の対象にならないが、遺産分割協議は財産権を目的とする行為として対象となる(最判平11.6.11)との対比を押さえること 離婚慰謝料の合意については別途基準があり、負担すべき損害賠償額を超えた部分が詐害行為の対象となる(最判平12.3.9) 民法424条2項「財産権を目的としない行為には適用しない」との関係で、財産分与の身分行為的性質と財産的性質の両面を理解しておくこと
信頼関係破壊の法理
信頼関係破壊の法理:無断譲渡・無断転貸であっても、背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合は民法612条2項による解除は認められない 賃貸借契約は当事者間の信頼関係を基礎とする継続的契約であることが判断の根拠 特段の事情がある場合、賃貸人は**承諾の欠缺(承諾がないこと)**を主張できず、譲受人は賃借権を対抗できる 注意:無断譲渡=当然に解除可能ではない。背信性の有無という実質的判断が必要 信頼関係破壊の法理は無断転貸にも同様に適用される
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