複数の公務員が負う求償債務
複数の公務員が組織的に不正をしたら、求償は連帯で!分割は原則だけど例外あり
図解でわかる

タップで拡大
事案の概要
争点
判旨
【原文】
国又は公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員が,その職務を行うについて,共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき,国又は公共団体がこれを賠償した場合においては,当該公務員らは,国又は公共団体に対し,連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負う。
判決
関連法令の解説
「国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」と定めています。被害者は国・自治体に対して賠償を請求でき、公務員個人には直接請求できません。国家賠償法1条2項
「前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があったときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する」と定めています。国・自治体が賠償金を支払った後、故意または重大な過失のある公務員個人に対してその分を取り戻せるという規定です。本判例はこの求償権を複数の公務員に行使する際の債務の性質(分割か連帯か)を判断しました。
身近な例え
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
複数の公務員の加害行為が一体とみなされる場合には、例外的に連帯して求償債務を負う
求償権が認められるのは、公務員に故意または重大な過失がある場合に限られる(単純な過失では求償不可)
注意:被害者は公務員個人に直接請求できず、国・自治体のみに請求できる(国賠法1条1項)
本判例は住民訴訟という形で争われた点も押さえておく(地方自治法242条の2)
関連法令
関連判例
消防職員の過失と失火責任法
失火責任法は民法709条の特別法であり、国家賠償法4条の「民法」に含まれる 公務員の失火にも失火責任法は適用される(公務員だからといって除外されない) 国・自治体の賠償責任が認められるには、公務員に**重大な過失(重過失)**が必要 軽過失にとどまる場合は、被害者がどれだけ損害を受けても国・自治体は賠償責任を負わない 試験の文章穴埋め問題で頻出:失火責任法は民法709条の「特則」、国賠法4条の民法に「含まれる」、公務員にも「適用」、重大な過失が「必要」という5つのキーワードを押さえること(令和3年度行政書士試験で出題)
違法な住民監査請求が不適法として却下された場合
監査委員が適法な請求を誤って却下した場合、住民は監査請求前置の要件を満たしたものとみなされ、直ちに住民訴訟を提起できる 出訴期間の起算点は、却下の通知を受けた日であり、そこから30日以内に訴訟を提起しなければならない 注意:これはあくまで「本来適法な請求が誤って却下された」ケースの話であり、最初から不適法な請求が却下された場合は、監査請求前置の要件を欠くため住民訴訟は提起できない 住民訴訟は民衆訴訟の一種であり、自己の法的利益ではなく住民全体の利益を守ることを目的とする客観訴訟である(行政事件訴訟法5条・43条、地方自治法242条の2第11項) 監査請求前置主義とは、住民訴訟提起の前に必ず住民監査請求を経なければならないという原則であり、これを欠いた訴訟は不適法として却下される
使用者から被用者への求償
連帯債務者の相続人
連帯債務は可分債務であるため、連帯債務者の一人が死亡した場合、相続人は法定相続分に応じて分割された債務を承継する 各相続人は、承継した範囲においてのみ本来の連帯債務者とともに連帯債務者となる 相続人が全額の連帯債務を引き継ぐわけではない点に注意:相続人が増えることで債権者が「得をする」解釈は採用されていない 可分債務の当然分割は相続開始と同時に自動的に生じ、遺産分割協議を待つ必要はない 注意:遺産分割協議で誰か一人が全額負担する合意をすることはできるが、それは相続人間の内部合意にすぎず、債権者に対して主張することはできない(民法899条)
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。