A商法会社法機関(取締役・監査役等)
株主全員の合意と利益相反取引
最高裁判所1974-09-26最判昭49.9.26
利益相反取引取締役会の承認株主全員の合意会社の利益保護取締役
株主全員の合意があれば利益相反取引に取締役会の承認は不要!制度の趣旨が実質的に達成されているから
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事案の概要
取締役会設置会社において、取締役と会社との間で会社法356条1項2号に該当する利益相反取引が行われましたが、その取引については株主全員が合意していました。取締役会の承認を経ていないことを理由にその取引の無効を主張する訴えが提起され、株主全員の合意がある場合でも取締役会の承認が必要かどうかが争われました。
争点
利益相反取引(会社法356条1項2号)において株主全員が合意している場合、取締役会の承認を別途得る必要があるかどうかが争点です。
判旨
取締役と会社との取引が株主全員の合意によってされた場合には、その取引につき取締役会の承認を要しません。利益相反取引規制は会社および株主の利益を保護するための制度であり、株主全員がすでに当該取引に同意している場合には、その制度的趣旨は実質的に充足されているからです。
判決
株主全員が取引に合意していた場合、利益相反取引について取締役会の承認は不要であり、取締役会未承認を理由とする取引の無効は認められないと判断されました。
関連法令の解説
会社法356条1項2号(利益相反取引の制限・直接取引)
取締役が自己または第三者のために株式会社と取引をしようとするときは、株主総会において重要な事実を開示してその承認を受けなければならないと定めています。本判決はこの規定の趣旨を「会社・株主の利益保護」と解した上で、株主全員の合意がある場合には規制の趣旨が実質的に充足されるとして、承認手続きを不要と判断しました。
会社法365条1項(取締役会設置会社における承認機関)
取締役会設置会社においては、356条1項の承認は取締役会が行うと定めています。本判決は、この取締役会承認の制度的趣旨を踏まえ、株主全員の合意がある場合にはその趣旨がすでに達成されているとして、取締役会の承認を不要と判示しました。
取締役が自己または第三者のために株式会社と取引をしようとするときは、株主総会において重要な事実を開示してその承認を受けなければならないと定めています。本判決はこの規定の趣旨を「会社・株主の利益保護」と解した上で、株主全員の合意がある場合には規制の趣旨が実質的に充足されるとして、承認手続きを不要と判断しました。
会社法365条1項(取締役会設置会社における承認機関)
取締役会設置会社においては、356条1項の承認は取締役会が行うと定めています。本判決は、この取締役会承認の制度的趣旨を踏まえ、株主全員の合意がある場合にはその趣旨がすでに達成されているとして、取締役会の承認を不要と判示しました。
身近な例え
家族全員が賛成している家の売却について、改めて家族会議を開いて決議する必要はないのと同じです。みんなの意思が一致しているなら形式的な手続きは不要ということです。
ざっくりまとめ
「取締役と会社の利益相反取引には取締役会の承認が必要」というのが原則。でも今回は株主が全員合意していた。「それでも取締役会の承認が必要?なければ無効?」という話。
裁判所の答えは「不要!」。なぜかというと、利益相反取引規制の趣旨は「会社の利益・株主の利益を守るため」にある。その株主全員がすでに合意しているなら、守るべき利益はもう守られている。目的がすでに達成されているのに、わざわざ手続きを経ることに意味はない。だから取締役会の承認は不要という結論。
裁判所の答えは「不要!」。なぜかというと、利益相反取引規制の趣旨は「会社の利益・株主の利益を守るため」にある。その株主全員がすでに合意しているなら、守るべき利益はもう守られている。目的がすでに達成されているのに、わざわざ手続きを経ることに意味はない。だから取締役会の承認は不要という結論。
試験対策ポイント
例外として株主全員の合意がある場合は取締役会の承認不要(本判決)
承認不要の根拠:利益相反規制の趣旨(会社・株主の利益保護)がすでに実質的に達成されているから
注意:「株主全員」の合意が必要。一部の株主の合意では足りない
対比判例:最判昭45.8.20(取締役が全株式を保有し会社が実質個人経営の場合も承認不要)とセットで整理すること
承認なしの利益相反取引の効果(原則):相対的無効→会社は第三者の悪意を証明しなければ無効を主張できない(最大判昭43.12.25)
関連法令
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