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A民法総則(意思表示・代理・時効等)

復代理人の引渡義務

最高裁判所1976-04-09最判昭51.4.9
復代理人受領物引渡義務民法106条2項

復代理人が代理人に引き渡せば、本人への引渡義務も同時に消滅!二重履行の負担は課せられない

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なる子ちゃん

事案の概要

本人と代理人の間で委任契約が締結され、代理人と復代理人の間で復委任契約が締結されました。復代理人が委任事務を処理するにあたって金銭等を受領し、これを代理人に引き渡しました。その後、本人は「復代理人はまだ自分への引渡義務を負っているはずだ」として復代理人に対して受領物の引渡しを請求しました。復代理人が代理人に引き渡した後も本人への引渡義務が存続するかどうかが争われた事件です。
争点

争点

復代理人が委任事務処理中に受領した物を代理人に引き渡した場合、本人に対する受領物引渡義務も消滅するかどうかが争点です。
判旨

判旨

復代理人が委任事務を処理するにあたり金銭等を受領したときは、復代理人は特別の事情がない限り、本人に対して受領物を引き渡す義務を負うほか、代理人に対してもこれを引き渡す義務を負います。もし復代理人において代理人にこれを引き渡したときは、代理人に対する受領物引渡義務は消滅し、それとともに本人に対する受領物引渡義務もまた消滅するものと解するのが相当です。つまり、復代理人が誠実に代理人への引渡しを完了した以上、本人への義務も同時に履行されたものとして消滅し、その後代理人が本人に引き渡さないことの責任は代理人が負うべき問題です。
判決

判決

破棄差戻し。復代理人が代理人に受領物を引き渡した時点で本人への引渡義務も消滅するとの法的判断を示し、原審の審理を差し戻した。
関連法令の解説

関連法令の解説

民法106条1項(復代理人の代理権)
復代理人は、その権限内の行為について本人を代理すると定めています。復代理人は代理人を代理するのではなく本人を直接代理するものであり、行為の効果は直接本人に帰属します。

民法106条2項(復代理人の権限・義務)

復代理人は、本人および第三者に対して代理人と同一の権利・義務を有すると定めています。本判決はこれを根拠として、復代理人が本人に対してだけでなく代理人に対しても受領物引渡義務を負うとしました。

民法646条1項(受任者の受領物引渡義務)

受任者は、委任事務を処理するにあたって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならないと定めています。本判決では、代理人・復代理人間の委任関係においてもこの義務が生じ、復代理人は代理人に対してこの義務を負うとしました。
身近な例え

身近な例え

会社で、部長が課長に仕事を任せ、課長がさらに平社員に任せた場合、平社員は課長に報告すれば良く、わざわざ部長に直接報告しなくても責任は果たしたことになるイメージです。
なる子ちゃん

ざっくりまとめ

復代理人は「代理人への引渡義務」と「本人への引渡義務」の2つを同時に負ってるんだよね(民法106条2項・646条1項)。でも「代理人に渡したのに、さらに本人にも渡せ!」というのは二重の負担で不合理だし、不動産のように物が一つしかない場合は物理的に不可能。だから、代理人に引き渡した時点で「代理人への義務」と「本人への義務」が同時に消滅するっていうのが判例の立場。代理人が本人に渡さないのは代理人の問題であって、復代理人が責任を負い続けるべきではないっていう考え方。

試験対策ポイント

復代理人は本人への引渡義務(民法106条2項)と代理人への引渡義務(民法646条1項)の2つを同時に負う
復代理人が代理人に受領物を引き渡したときは、特別の事情がない限り、本人への引渡義務も同時に消滅する

代理人への引渡しが本人への引渡しと同等の効果を持つのは、代理人が本人の立場で受け取る立場にあるため

注意:試験の選択肢では「代理人への義務は消滅するが本人への義務は消滅しない」という誤った記述が頻出(→これは誤り)

代理人が本人に受領物を渡さなかった場合の責任は代理人が負うものであり、復代理人の義務とは切り離して考えること

この考え方は再復代理人が選任された場合にも同様に適用される
法令

関連法令

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