よど号ハイジャック新聞抹消事件
収容されていても閲読の自由はある!制限には抽象的おそれでは足りず、相当の蓋然性が必要
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事案の概要
争点
判旨
【原文】
まず、当該閲読を許すことにより、監獄内の規律や秩序が害される一般的、抽象的なおそれがあるといだけでは足りず、(左記理由で制限をすることは違反である)具体的事情のもとにおいて、①「監獄内の規律および秩序の維持上放置することのできない程度」の障害が生ずる「相当の蓋然性」があると認められることが必要でありかつ、②制限の程度は、上記障害発生の防止のために必要かつ合理的な範囲にとどめるべきものと解するのが相当である。
判決
関連法令の解説
身近な例え
ざっくりまとめ
試験対策ポイント
制限の合憲性判断は2要件:①「放置できない程度の障害が生ずる相当の蓋然性」があること、②制限が「必要かつ合理的な範囲」にとどまること。この2要件をセットで覚える。
「一般的・抽象的なおそれ」だけでは制限の根拠として不十分。「相当の蓋然性」という具体的な危険性が必要という点は頻出のひっかけポイント。
注意:結論は合憲(請求棄却)。「相当の蓋然性が必要」という厳しい基準を示しながらも、本件の制限については合憲と判断されている点を混同しないこと。
在監者(収容者)の権利制限一般の考え方として、「収容されているから何でも制限できる」わけではなく、制限には合理的根拠が必要という原則を理解すること。
関連法令
関連判例
「月刊ペン」事件
刑法230条の2の**「公共ノ利害ニ関スル事実」への該当性は、摘示された事実の内容・性質から客観的**に判断される 私人の私生活に関する事実であっても、その者の社会的活動の性質と影響力の程度によっては「公共ノ利害ニ関スル事実」にあたる場合がある 注意:「公共ノ利害ニ関スル事実」への該当性判断において、表現方法や取材・調査の程度は考慮されない。これらは公益目的の有無の判断で考慮されるものである 注意:本判例は最高裁が職権で原判決を破棄した点も重要。上告理由が認められたわけではない 名誉毀損の免責には「公共の利害に関する事実」+「公益目的」+「真実性の証明」の3要件が必要(差し戻し審では真実性が認められず有罪となった)
サンケイ新聞事件
憲法21条は私人間に直接適用されない。国家対個人のルールであり、私人どうしの関係への直接適用・類推適用は否定されている。 反論権(アクセス権)は、具体的な成文法がない限り認められない。「たやすく認めることはできない」という表現はそのまま出題される。 反論権を認めることで生じる「萎縮効果」が表現の自由を間接的に侵すおそれがあるとした点も重要。単純に否定するのではなく、理由の構造を理解すること。 注意:不法行為(名誉毀損など)が成立する場合は、民法723条の名誉回復処分として反論文掲載が認められる余地は残されている。「一切認められない」と覚えると誤答になる。 本件では意見広告による名誉毀損の成立も否定された。広告内容が政党批判であっても、それだけで不法行為にはならないとされた点も確認すること。
猿払事件
合憲性の判断基準は合理的関連性の基準:①目的の正当性、②目的と手段の合理的関連性、③利益の均衡 勤務時間外・職務と無関係・私人的立場での行為であっても禁止は合憲とされた点が重要 注意:堀越事件(最判平24.12.7)では同じ行為類型でも有罪とならない場合があるとして猿払事件と事実上の射程が限定された 公務員の政治活動制限の根拠は憲法15条2項(全体の奉仕者) 人事院規則への委任は白紙委任にあたらない(最判平24.12.7)
立川反戦ビラ配布事件
憲法21条1項の表現の自由は絶対無制限ではなく、公共の福祉による合理的な制限を受ける 問われているのは「表現の処罰」ではなく**「表現手段としての立入り行為の処罰」**の合憲性 宿舎の共用部分・敷地は刑法130条の**「人の看守する邸宅」およびその囲繞地**にあたる 「侵入」の意味:管理権者の意思に反して立ち入ること(管理権説) 処罰が合憲とされた実質的根拠:私的生活を営む居住者の私生活の平穏を侵害するから 対比:葛飾政党ビラ配布事件(最判平21.11.30)では民間分譲マンションの事案で同様に合憲と判断
教科書検定事件
教科書検定は憲法21条2項の検閲にあたらない(理由:一般図書として出版可能であり、発表禁止目的・発表前審査の特質がないため) 教科書は学術研究発表の場ではないため、検定は憲法23条の学問の自由(研究発表の自由)を直接侵害しない 国は子どもに適切な教育を保障するために必要かつ相当な範囲で教育内容を決定できる(憲法26条合憲の根拠) 個別の検定処分が国賠法上違法になる基準:「審議会の判断過程に看過し難い過誤があって、文部大臣の判断がこれに依拠した場合」 注意:制度全体は合憲だが、個別処分は専門家の見解を無視するなど著しく不合理な場合は裁量権の逸脱・濫用として国家賠償法上違法になりうる 本件は第一次家永教科書訴訟(家永全面敗訴)であり、第三次訴訟(最判平9.8.29)では4件について裁量権逸脱が認められた点と混同しないこと
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