S憲法統治機構
裁判員制度の合憲性
最高裁判所大法廷2011-11-16最大判平23.11.16
裁判員制度国民の司法参加苦役の禁止特別裁判所裁判官の独立刑事裁判の諸原則
裁判員制度は合憲!市民が刑事裁判に参加することを憲法は禁じていない
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事案の概要
裁判員裁判によって有罪判決を受けた被告人Xが、「裁判員制度は憲法が定める刑事裁判の諸原則・裁判官の独立・苦役の禁止などに違反する」として上告した。裁判員制度は2009年に開始されたばかりで、開始前から合憲性をめぐる論争があり、本判決は弁護側の主な違憲主張すべてに対して最高裁が正面から答えた、裁判員制度の合憲性を確定した重要判決である。
争点
裁判員制度は、憲法31条・32条・37条1項(適正手続・裁判を受ける権利)、76条(司法権・特別裁判所の禁止・裁判官の独立)、18条後段(苦役の禁止)に違反しないか、が本件の争点です。
判旨
最高裁はまず、憲法に国民の司法参加を認める明文規定がないことは直ちに禁止を意味しないとし、憲法の採用する統治の基本原理・刑事裁判の諸原則・憲法制定当時の歴史的状況・関連条文の文理を総合的に検討した結果、憲法は一般的に国民の司法参加を許容しており、その内容を立法政策に委ねていると判示しました。そのうえで、裁判員制度は公平な裁判所における適正な裁判を制度的に十分保障しており、刑事裁判の基本的な担い手はあくまで裁判官であるとして憲法31条・32条・37条1項・76条1項・80条1項違反を否定しました。評決で裁判官が自らと異なる結論に従う場合も憲法に適合する法律に拘束された結果にすぎず76条3項に反しないとし、裁判員裁判の裁判体は地方裁判所に属し控訴・上告も認められるため特別裁判所にもあたらないとしました。また裁判員の職務は参政権と同様の権限を国民に付与するものであり苦役にあたらないとしました。つまり、憲法上の適正手続の諸原則が確保されている限り、国民の司法参加の形態は立法政策に委ねられるということです。
判決
裁判員制度は憲法18条・31条・32条・37条1項・76条のいずれにも違反しないとして合憲と判断され、上告は棄却された。
関連法令の解説
憲法18条後段(苦役の禁止)
この条文は「意に反する苦役に服させられない」と定めています。弁護側は裁判員として強制的に参加させることが苦役にあたると主張しましたが、最高裁は裁判員の職務は参政権と同様の権限を国民に付与するものであり、苦役と呼ぶことは必ずしも適切ではないと判断しました。
憲法31条・32条・37条1項(適正手続・裁判を受ける権利・公平な裁判所)
これらの条文は適正手続の保障、裁判所において裁判を受ける権利、公平な裁判所における迅速な公開裁判を受ける権利を定めています。最高裁は裁判員制度の仕組みを考慮すれば、これらの諸原則は制度的に十分保障されていると判断しました。
憲法76条1項・2項・3項(司法権・特別裁判所の禁止・裁判官の独立)
76条1項は司法権が裁判所に属することを、2項は特別裁判所の設置禁止を、3項は裁判官が良心に従い独立して職権を行うことを定めています。最高裁は、裁判員裁判の裁判体は地方裁判所に属するため特別裁判所にあたらず、評決において裁判官が自らの意見と異なる結論に従う場合も憲法に適合する法律に拘束された結果にすぎないと判断しました。
この条文は「意に反する苦役に服させられない」と定めています。弁護側は裁判員として強制的に参加させることが苦役にあたると主張しましたが、最高裁は裁判員の職務は参政権と同様の権限を国民に付与するものであり、苦役と呼ぶことは必ずしも適切ではないと判断しました。
憲法31条・32条・37条1項(適正手続・裁判を受ける権利・公平な裁判所)
これらの条文は適正手続の保障、裁判所において裁判を受ける権利、公平な裁判所における迅速な公開裁判を受ける権利を定めています。最高裁は裁判員制度の仕組みを考慮すれば、これらの諸原則は制度的に十分保障されていると判断しました。
憲法76条1項・2項・3項(司法権・特別裁判所の禁止・裁判官の独立)
76条1項は司法権が裁判所に属することを、2項は特別裁判所の設置禁止を、3項は裁判官が良心に従い独立して職権を行うことを定めています。最高裁は、裁判員裁判の裁判体は地方裁判所に属するため特別裁判所にあたらず、評決において裁判官が自らの意見と異なる結論に従う場合も憲法に適合する法律に拘束された結果にすぎないと判断しました。
身近な例え
町内会の重要な決定をする際、役員だけでなく一般住民も参加して話し合うようなもの。住民参加は民主的で、役員の独立性を侵害するものではありません。
ざっくりまとめ
憲法に「国民が裁判に参加してよい」と書いていないからといって、禁止されているわけじゃないんだよ。
憲法が採用する統治原理や制定当時の歴史的経緯を総合的に検討すると、憲法は国民の司法参加を許容しているんだね。
裁判員の職務は「苦役」じゃなくて、むしろ参政権に類する国民参加として位置づけられているのが面白いポイントだよ。
でも注意!裁判官が評決で自分と異なる結論に従うことになっても、それは憲法に適合する法律に従った結果にすぎないから76条3項違反にはならない、というロジックもセットで押さえよう!
憲法が採用する統治原理や制定当時の歴史的経緯を総合的に検討すると、憲法は国民の司法参加を許容しているんだね。
裁判員の職務は「苦役」じゃなくて、むしろ参政権に類する国民参加として位置づけられているのが面白いポイントだよ。
でも注意!裁判官が評決で自分と異なる結論に従うことになっても、それは憲法に適合する法律に従った結果にすぎないから76条3項違反にはならない、というロジックもセットで押さえよう!
試験対策ポイント
憲法は刑事裁判における国民の司法参加を許容しており、その内容は立法政策に委ねられている
裁判員裁判の裁判体は地方裁判所に属するため、特別裁判所(76条2項)にはあたらない
裁判官が評決で自らの意見と異なる結論に従う場合も76条3項(裁判官の独立)に違反しない。憲法に適合する法律への拘束の結果にすぎないため
裁判員の職務は参政権と同様の権限を国民に付与するものであり、18条後段の苦役にはあたらない
関連法令
出題年度
2016年
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