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B民法債権総論

供託が認められる場合

最高裁判所1994-07-18最判平6.07.18
民法494条弁済供託受領拒絶弁済の提供控訴審係属中一部弁済損害賠償額の確定受領遅滞

控訴審中でも一審判決額を供託すれば有効!受領拒絶なら預けてOK

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なる子ちゃん

事案の概要

交通事故の損害賠償訴訟で、第一審がXに対して賠償金の支払いを命じる判決を下した。Yはこれを不服として控訴した。控訴審係属中(上訴審で審理が続いている状態)、XはYに対して第一審判決額全額を弁済として提供したが、Yはこれを拒絶した。そこでXが弁済供託(弁済のためにお金を法務局などに預ける手続き)を行ったところ、控訴審で賠償額が増額されたため、この供託が有効かどうかが争われた。
争点

争点

交通事故の損害賠償訴訟の控訴審係属中に、加害者が第一審判決で命じられた賠償金全額を提供したが受領を拒絶された場合の供託は有効か、また、その後控訴審で賠償額が増額されたとしても弁済提供の効力は維持されるか、が争点です。
判旨

判旨

損害賠償額が確定していない控訴審係属中に、加害者が確定前の正確な賠償額を知ることは極めて難しく、一審判決額を基準として弁済提供することは合理的です。加害者に確定額全額の提供を求めることは酷な負担を強いることになります。また、被害者も供託されたお金を一部弁済として還付請求できるため、不利益を受けるわけではありません。したがって、控訴審係属中であっても一審判決額全額の弁済提供は原則として有効であり、受領拒絶を理由とする供託も有効です。つまり、その後控訴審で賠償額が増額されて提供額が全額に満たなかったことが判明しても、その範囲において弁済提供・供託の効力は維持されるということです。
判決

判決

控訴審係属中になされた一審判決額全額の弁済提供および供託は有効と判断された。その後賠償額が増額されても、提供・供託の効力はその範囲で維持される。
関連法令の解説

関連法令の解説

民法494条1項(受領拒絶による供託)
この条文は、債権者が弁済の受領を拒絶した場合に、債務者が弁済の目的物を供託することで債務を免れることができると定めています。本件では、被害者Yが加害者Xからの弁済提供を拒絶したため、Xが供託を行いました。弁済の提供があったことと受領拒絶の事実が供託の有効性の前提となります。

民法494条2項(弁済不能による供託)

債権者を確知できない場合にも供託が認められる規定です。本件の直接の根拠は1項ですが、494条全体が弁済供託制度の根拠規定となっており、債務者を受領遅滞から解放する機能を持ちます。
身近な例え

身近な例え

レストランで会計時に「高すぎる」と揉めて、店が「じゃあ裁判で」となった後、お客が「とりあえず請求額は預けておくよ」と銀行に預けるイメージです。
なる子ちゃん

ざっくりまとめ

損害賠償の金額って、判決が確定するまでいくらになるかわからないよね。加害者としては「いくら払えばいいの?」って困る状況なんだ。最高裁は「一審判決の金額全額を提供して被害者に拒絶されたなら、供託は有効」と判断したよ。控訴審でまだ争ってる最中でも、一審判決額を基準にできるってことだね。でも注意!後から控訴審で賠償額が増額されても、一審判決額の範囲での供託・弁済提供は有効のまま。「全額に満たなかったから無効」にはならないんだ。

試験対策ポイント

控訴審係属中であっても、一審判決額全額を提供して受領拒絶された場合の供託は有効である
注意:その後控訴審で賠償額が増額されて提供額が全額に満たなかったことが判明しても、提供・供託は無効にならない

供託が有効となるには、①適法な弁済の提供があったこと、②債権者が受領を拒絶したこと、の両方が必要

一部供託の問題と区別すること。本件は供託時点では全額のつもりで提供しており、後から一部と判明したケースであるため、意図的な一部供託とは異なる

供託の効果として、債務者は受領遅滞の責任を免れ、以後の利息・損害金の発生も停止する
法令

関連法令

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