新潟県公安条例事件
デモへの一般的許可制は違憲!でも特定の場所・方法について合理的明確な基準に基づく許可制は合憲
図解でわかる

タップで拡大
事案の概要
争点
判旨
判決
関連法令の解説
集会・結社・言論・出版その他一切の表現の自由を保障すると定めています。本判決は、行列行進や集団示威運動(デモ)は公共の福祉に反する不当な目的・方法によらない限り「本来国民の自由とするところ」として憲法21条1項による保障の対象であることを確認した上で、その制限の限界を示しました。
憲法12条(基本的人権の濫用禁止・公共の福祉)
自由・権利の濫用は許されず、常に公共の福祉のために利用する責任を負うと定めています。本判決では公安条例の合憲性判断において、集団示威運動も公共の福祉による制限を受けることの根拠となっています。
地方自治法14条・憲法94条(条例制定権)
地方公共団体が条例を制定できる法的根拠です。本判決は、地方公共団体が集団示威運動を規制する公安条例を定めることができることの根拠を確認しました。また、条例の効力は原則として属地的(地域内に効力が及ぶ)に生じると判示しました。
身近な例え
ざっくりまとめ
2つの争点があった。①公安条例の許可制は違憲じゃないか?②長野県民のXに新潟県の条例が適用されるの? ①については「一般的許可制はNG、でも特定の場所・方法について合理的明確な基準に基づくものならOK。明らかな差し迫った危険がある場合の不許可もOK」という判断。②については「条例の効力は原則として属地的に生じる。新潟県内で違反した以上、他県民でも適用される」という判断。どちらも上告側の主張は退けられた。注意:「噴出する奔流」は東京都公安条例事件(昭35)の表現で、本件とは別!
試験対策ポイント
特定の場所・方法について、合理的かつ明確な基準の下に許可制を設けることは合憲
明らかな差し迫った危険(「明白かつ現在の危険」に相当)がある場合の不許可・禁止も合憲
注意:「届出制は格別、一般的許可制はNG」という論理構造が試験頻出のひっかけ(許可制でも合憲になりうる点をセットで理解すること)
「噴出する奔流」は本件ではなく東京都公安条例事件(最大判昭35.7.20)の表現。混同注意!
条例の効力は原則として属地的であり、他県居住者でも条例の地域内での違反行為には適用される
関連法令
関連判例
立川反戦ビラ配布事件
憲法21条1項の表現の自由は絶対無制限ではなく、公共の福祉による合理的な制限を受ける 問われているのは「表現の処罰」ではなく**「表現手段としての立入り行為の処罰」**の合憲性 宿舎の共用部分・敷地は刑法130条の**「人の看守する邸宅」およびその囲繞地**にあたる 「侵入」の意味:管理権者の意思に反して立ち入ること(管理権説) 処罰が合憲とされた実質的根拠:私的生活を営む居住者の私生活の平穏を侵害するから 対比:葛飾政党ビラ配布事件(最判平21.11.30)では民間分譲マンションの事案で同様に合憲と判断
石井記者事件
憲法21条の表現の自由(報道の自由を含む)は、公共の福祉による制限を受けるため絶対無制限ではない 刑事裁判において、取材源秘匿を理由とする証言拒絶権は憲法上保障されない 注意:民事訴訟では職業上の秘密を理由とした証言拒絶が認められる場合があり(現行民事訴訟法197条1項3号)、刑事と民事で結論が異なる点に注意 報道の自由・取材の自由は憲法21条で保障されるが(博多駅事件・最大決昭44.11.26参照)、取材源秘匿の証言拒絶権は別問題として区別すること 本判決は大法廷判決であり、表現の自由と公共の福祉の関係を示した初期の重要判例として位置づけられる
チャタレイ事件
わいせつの三要素:①性欲を徒らに興奮・刺激する、②普通人の正常な性的羞恥心を害する、③善良な性的道義観念に反する、の3つがすべて満たされる場合にわいせつにあたる 芸術性とわいせつ性は両立する:芸術的・文学的価値があることはわいせつ性を否定する根拠にならない 表現の自由(憲法21条)も公共の福祉による合理的な制限に服する 注意:本判例は公共の福祉論を用いて合憲とした初期の判例であり、後の比較衡量論や二重の基準論への発展を理解するうえでの出発点として位置づけること 刑法175条の合憲性を正面から認めた判例として、悪徳の栄え事件(最大判昭44.10.15)と対比して押さえること
「月刊ペン」事件
刑法230条の2の**「公共ノ利害ニ関スル事実」への該当性は、摘示された事実の内容・性質から客観的**に判断される 私人の私生活に関する事実であっても、その者の社会的活動の性質と影響力の程度によっては「公共ノ利害ニ関スル事実」にあたる場合がある 注意:「公共ノ利害ニ関スル事実」への該当性判断において、表現方法や取材・調査の程度は考慮されない。これらは公益目的の有無の判断で考慮されるものである 注意:本判例は最高裁が職権で原判決を破棄した点も重要。上告理由が認められたわけではない 名誉毀損の免責には「公共の利害に関する事実」+「公益目的」+「真実性の証明」の3要件が必要(差し戻し審では真実性が認められず有罪となった)
サンケイ新聞事件
憲法21条は私人間に直接適用されない。国家対個人のルールであり、私人どうしの関係への直接適用・類推適用は否定されている。 反論権(アクセス権)は、具体的な成文法がない限り認められない。「たやすく認めることはできない」という表現はそのまま出題される。 反論権を認めることで生じる「萎縮効果」が表現の自由を間接的に侵すおそれがあるとした点も重要。単純に否定するのではなく、理由の構造を理解すること。 注意:不法行為(名誉毀損など)が成立する場合は、民法723条の名誉回復処分として反論文掲載が認められる余地は残されている。「一切認められない」と覚えると誤答になる。 本件では意見広告による名誉毀損の成立も否定された。広告内容が政党批判であっても、それだけで不法行為にはならないとされた点も確認すること。
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。