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A商法会社法商法総則・商行為

名板貸人の責任

最高裁判所1968-06-13最判昭43.6.13
名板貸人商号使用許諾同種営業誤認取引の安全

商号を貸しても同種営業でなければ責任なし!誤認が起きない場所に保護は不要

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なる子ちゃん

事案の概要

甲(名板貸人)は自己の商号を乙(名板借人)に使用させることを許諾しましたが、甲の営業と乙の営業は業種が異なっていました。乙と取引をした丙(第三者)が「この商号の持ち主=甲が営業主だ」と信じて取引したとして、甲に対して商法14条の名板貸責任(連帯弁済責任)を追及したのがこの事件です。
争点

争点

名板貸人が商法14条の責任を負うためには名板借人の営業が名板貸人の営業と同種であることが必要か、また両者の営業が異種である場合に取引相手方の誤認が成立するといえるか、というのがこの事件の争点です。
判旨

判旨

商号はその営業の同一性を示し、取引先からの信用の基盤となるものです。名板貸人が商法14条の責任を負うのは、取引の相手方が「名板借人の営業=名板貸人の営業」と誤認したことが前提となります。しかし名板貸人と名板借人の営業の種類が異なる場合、相手方が名板貸人を営業主と誤認することは通常考えにくく、誤認を保護すべき状況が生じません。裁判所は、名板貸人が責任を負うには原則として両者の営業が同種であることが必要であり、異種営業である本件では特段の事情がない限り名板貸人の責任は生じないと判断しました。つまり、誤認が起きない場面では取引の安全を守る必要がなく、名板貸人を保護してよいということです。
判決

判決

名板貸人が商法14条の責任を負うには名板借人の営業と同種であることが原則として必要であり、異種の営業である場合は名板貸人の責任は認められない。
関連法令の解説

関連法令の解説

商法14条(自己の商号の使用を他人に許諾した商人の責任)
この条文は、自分の商号を他人に使わせた商人が、その商号を信頼して取引した第三者に対して、名板借人と連帯して債務を弁済する責任を負うことを定めています。商号はその営業への信頼・信用の基盤であることから、外観を信頼した取引の相手方を保護し、取引の安全を確保するための規定です。なお、名板貸人が会社である場合は会社法9条が適用され、会社以外の商人には本条が適用されます。
身近な例え

身近な例え

有名なラーメン屋の看板を美容室が使っても、お客さんは「あのラーメン屋がやってる」とは普通思わないのと同じです。
なる子ちゃん

ざっくりまとめ

名板貸の責任って、「商号を貸した=責任あり」ってシンプルじゃないんだよね。そもそもなんで名板貸人が責任を負うかというと、「相手方が誤認したから」なんだよ。だから、業種が全然違う営業をしていたら、普通は誤認なんて起きないよね?ってこと。同種営業かどうかが責任発生の大前提、ってのが試験では超重要!

試験対策ポイント

名板貸人の責任が生じるには、名板借人の営業が名板貸人の営業と同種であることが原則として必要である
責任発生の根拠は取引相手方の誤認であり、誤認が生じ得ない状況では責任は発生しない

異種の営業の場合、取引相手が名板貸人を営業主と誤認することは通常考えにくく、原則として責任なし

注意:「商号を貸せば常に責任を負う」は誤り。同種営業かどうかが責任発生の重要な判断基準となる

特段の事情(異種営業でも誤認が生じた特別な状況)がある場合は、例外的に責任が生じる余地がある
法令

関連法令

関連判例

関連判例

商法会社法最高裁判所

代表権の濫用

代表取締役が自己の利益のため会社を代表して行った行為は原則として有効 相手方が代表取締役の真意につき悪意または有過失のときは会社に対して無効となる 本判決当時は民法93条ただし書の類推適用だったが、2017年民法改正により民法107条として明文化された 注意:善意かつ無過失の相手方は保護され、会社は無効を主張できない 代表権の制限(内部的制限)と代表権の濫用は別概念。制限は善意の第三者に対抗できないが、濫用は相手方の悪意・有過失で無効になる

民法最高裁判所

東京地方裁判所事件

民法109条1項の表見代理は、明示的な代理権授与の表示がなくても、取引が自己の取引であるかのような外形を作り出した場合に適用される 官庁が経済活動を行う範囲では、表見代理の法理が適用される。「官庁だから適用外」ではない 表見代理が成立するには相手方の善意無過失が必要であり、相手方がこれを立証しなければならない 注意:本件は差戻し判決であり、表見代理の成立が確定したわけではなく、善意無過失の審理が別途必要とされた点を押さえること 外観法理として、民法109条(代理権授与の表示)・110条(権限外の行為)・112条(代理権消滅後)の三類型を整理し、それぞれの成立要件の違いを理解しておくこと

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